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坂田 博子、時札 正文、阿部 次男、
木原 三千代、倉田 憲治、大神 信勝
福岡県学校薬剤師会
Investigation in the present condition on classroom illuminance and illumination environment
in schools of Fukuoka prefecture
HIROKO SAKATA, MASAFUMI TOKISATU, TUGIO ABE,
MICHIYO KIHARA, KENJI KURATA, NOBUKATSU OOGAMI
Fukuoka School Pharmacist Society
Classroom illuminance and illumination environment in schools were investigated in Fukuoka prefecture. It was found that less than 20% of schools managed illuminometers and carried out periodical revision of them. The schools that executed periodical inspection of illumination more than 1 time a year and the schools that paid careful attention to cleaning and exchange of lighting equipment were about 50% of the whole, respectively. On the other hand, the ratio of schools carrying out daily checkup of illuminators was high with total 74.4%, whose value was 30% in 1999. The increase in the ratio was ascribed to improvement of consciousness of teacher party for which the examination was carried out. The results of this investigation are useful for a school pharmacist to advise teachers about examination problems for the construction of a good environmental structure of every school.
Keywords - classroom illuminance; illumination environment in schools; inspection of lighting equipment; lesson advice of a school pharmacist
学校薬剤師の学校環境衛生活動指針1)として15項目が掲げられているが,その筆頭は照度と照明環境に関するものである。また,近年,小学校では高学年になるにつれ裸眼視力が低下することが報告されている。これらのことは,学校における適切な照明の重要性を示している。学校において正しい照明がなされば,児童・生徒も先生も快適な学校生活ができ,さらに,児童生徒の成長期の視力が守られる。
今回,福岡県下の学校を対象に教室照度および照明環境について調査を行った。調査項目は,照度計を管理して定期的な補正を実施しているか,照明器具の清掃や交換に気を配っているか,照明器具の日常点検を実施しているか,などであり,特に照明器具の日常点検の項目は,1999年実施の調査結果との比較で興味深い。学校のよい環境つくりのための検討課題として活用するために,ここに調査結果を報告する
*1 第36回日本学校薬剤師会学術大会 (福岡、2003年10月)にてポスター発表 *2 福岡市博多区住吉2-20-15:2-20-15 Sumiyosi,Hakata-ku,Fukuoka 812-0018,Japan
方法
本調査は2002年2月,福岡県学校薬剤師会が会員の各担当校において対面アンケート方式により実施した。調査項目は県内学校の照度及び照明環境の現状についてである。 設問は以下の11項目とした。
1:定期検査に使用する照度計は定期的に補正しているか。
2:最後に補正したのはいつ頃か。
3:2001年度に照度、照明環境の定期検査を何回行ったか。
4:2001年度の定期検査の結果に基づく指導助言と事後措置について。
5:日常点検(明るさとその環境)を行っているか。
6:普通教室の日常点検の実施者について。
7:普通教室の照明器具の清掃を2001年度に何回行ったか。
8:照明器具はどのくらいの間隔で交換しているか。
9:カーテンは各教室に備えつけているか。
10:コンピュータを設置した教室の照明環境のうち,ディスプレイ垂直面照度について。
11:コンピュータを設置した机上の照度について。
結果と考察
回収率は98.8%(学校数 1,094,回収数 1,081)であった。図1〜11
照度計は各学校に備え付けてあると思われるが,定期的な補正をしている学校は18.9%と低い結果が出た。(図1,2) 定期検査を実施した学校も1回,2回合わせて約50%と半数であった。(図3) また, その結果に対して,教室における照度基準(資料)に適合していない場合は学校薬剤師が指導助言を行い,事後措置をとるようになっているが,事後措置を講じなかったが6.4%もあった。(図4)これは, これからの検討課題である。
日常点検の実施については,1999年2月,県内の学校に対して同じく福岡県学校薬剤師会が「学校の環境衛生活動における日常点検の現状」という調査を行ったが,その時の項目にも採り入れており,その時の結果は約30%であった。(表) ところが,それに対して今回は74,4%と優位性をもって高い結果が出た。(図5)
日常点検の実施者は学級担任が81.4%と高く,次に養護教諭が13.2%となったが,児童・生徒のよる学校が3.5%もあった。(図6)
照明器具の清掃については55.2%していない(図7)ということだが,照明器具の汚れは照度を大きく低下させることになる。また,照明器具の交換は1年から2年の間にしているのは36.2%であった。(図8) 蛍光灯の性質上,螢光管の両端の黒ずみが見られたら,その時期と考えられる。これらのことに対する指導助言も事後措置と思われる。
教室のカーテンは91.3%と殆どの学校で備え付けてあった。(図9) カーテンの設置は照度のみならず,まぶしさへの対応としても大切な項目である。
コンピュータを設置した教室の照明環境のうち,ディスプレイの垂直面照度については基準にあっているものは61.9%(図10) 机上の照度は58.9%(図11)と双方とも約60%であった。
今回の調査では照明環境に関して,日常点検の実施以外では低い結果となった。
日常点検の実施率の高かった原因は,その項目のみが前述の通り,1999年の設問項目にあり,アンケート時に学校では日常点検の実施の重要性を改めて意識し,それが実行につながり,今回の約75%もの高い実施の結果が出たものと思われる。
対して,低かった結果の原因としては,学校の現場では,教育が何といっても中心であり,教師は業務に多忙となり,照明環境の点検・管理の意識は希薄にならざるを得ないのでは,と推量される。
まとめ
学校環境衛生の基準には「学校における照明の意義は児童生徒に教科書や黒板の文字をはっきり見させ、能率よくしかも快適に学習をさせることにある。よい照明とは児童生徒の立場からは,成長期の視力を守るため,目の疲労が少なく,快適な雰囲気の中で気分を集中して学習できることであり,先生の立場からは,授業がしやすい雰囲気の中で児童生徒の反応がよく解り,教育効果高められることである。」と謳われている。
照明環境を整えることは快適な環境作りの重要な項目である。その為にも学校保健会などの機会を利用して提言したり,一斉調査のテーマに取り上げる等して照明環境作りの重要性を,学校薬剤師として学校に働きかけていきたい。
文献
1) 杉下順一郎,学校環境衛生活動Q/A集,薬事日報社,東京,1999,pp.3
2) 日本学校薬剤師会編,学校環境衛生の基準,新訂版,薬事日報社,東京,1995,pp.37-72
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