薬 物 乱 用

7年連続して不名誉なワースト第1位 2007/12/01


 福岡県学校薬剤師会 会長 木原三千代

 6月は世界中で行われるキャンペーンで、11月は全国のキャンペーン月間です。29日にはアクロス福岡で麻薬・覚せい剤乱用防止運動九州地区大会が開催されました。

 このところ、芸能人の覚せい剤乱用による検挙が続いています。それも、かなり長期にわたると考えられる乱用や、何度も検挙される繰り返し乱用が報道されています。一回のつもりが、一生を台無しにする薬物の乱用の怖さであり、昨年も中学1年生の女子生徒が福岡市内で覚せい剤の所持で検挙補導されています。

 福岡県警が発表した平成18年度中の少年非行実態によれば、シンナー、接着剤やボンドなどの有機溶剤を乱用したとして検挙補導された少年は256人であり、前年に比べ195人(43.2%)も減少していますが、それでも不名誉な7年連続全国ワースト第1位を更新しています。

 福岡県学校薬剤師会では、地域の保護者や教職員、児童・生徒を対象に、予防教育の大切さから、昨年度は194件・34845名を対象に、薬の正しい使い方やシンナー・大麻等薬物乱用防止の講演活動を実施しています。しかし、学校によっては問題意識に温度差があり、積極的に取り組まれている学校とそうでない学校があります。都市部であろうと郡部であろうと関係なく、薬物乱用については正しく伝えていくことが求められます。

 最近、依存性の強い向精神薬「リタリン」の乱用が問題になっています。向精神薬は医療においてとても大切なのですが、依存性が強い医薬品でもあり、薬物等の「等」中に向精神薬の乱用も盛り込まれています。

 また、平成18年度の薬事法改正で一般用医薬品の販売が成分分類の見直しにより、コンビニやスーパーで薬剤師に相談することなく、購入者の判断で購入されるようになり、「くすりの正しい使い方」教育が求められるようになりました。

 現状、薬物乱用防止教育はカリキュラムに組み込まれておりますが「薬の正しい使い方」については、まだまだ単独では時間的な余裕がない状況で、一部の学校でのみ導入されているところです。医師の処方により使用される向精神薬だけでなく、咳止めとして市販されているOTC薬(大衆薬)による乱用者が報告されるなど、くすり教育は薬物乱用防止にも繋がるものであると考えます。

 昨年からシンナー乱用は減少傾向にありますが、代わって大麻の乱用が増えてきています。インターネットや携帯電話の普及は、乱用薬物の購入を手軽な方法に変えています。薬事法の改正により、脱法ドラッグは違法ドラッグとして法整備されましたが、また新たに大麻種子の問題が出ています。種子の販売は違法ではないしても、栽培した時点で違法になることなど、何かの方法で注意を喚起する必要があると考えます。

 厚労省は自治体担当者を対象に、相談にあたっての手引書を作成されることになったと報道されていますが、その内容について警察庁との協議は行われていません。薬物乱用者の再犯を防止するためには相談窓口の設置は重要ですが、薬物は所持しているだけでも法律に違反する犯罪である以上、県警との話し合いが大切だと考えます。